・目覚まし時計やアラーム設定をしているのに起きられない…
・体が重くて中々起き上がれない…
こんな悩みを抱いている方はとても多くいます。
遅刻できない予定があるから余裕を持って起きたかったのに、結局ギリギリまで寝て慌てて準備をする羽目に…なんていう経験したことがある方も多いことでしょう。
今回は、そんな辛い朝の目覚めの原因と対策法についてチェックしていきたいと思います。
朝起きられない原因は?
そもそも朝中々目覚めが悪い原因にはどういったものがあるのでしょうか。
主な原因と考えられるものは以下の通りです。
疲労の蓄積
当たり前のことですが、疲労が溜まっていればスッキリ起きられません。
この疲労が溜まる原因として主なものを以下に挙げます。
睡眠時間がとれていない
充分な睡眠時間の目安は6時間から8時間です。
もちろん、これには個人差があるため、一概には言えません。
例えば、短時間しか睡眠をとらなくても大丈夫な人(ショートスリーパー)がいれば、逆に平均よりも多くの睡眠時間を要する人(ロングスリーパー)もいます。
体内時計の乱れ
「休日は寝溜めしよう!」とたくさん眠る方も多いことと思います。
一見、睡眠時間を多く確保することで疲れがとれるように感じるかもしれませんが、実はこれは逆効果です。
特に、休日に平日よりも2時間以上多く眠ることで体内時計が乱れ、頭がいわば時差ボケのような状態に陥ってしまいます。
そのため、平日の朝がより怠くなってしまいます。
悪い習慣がついている
寝る前の習慣も朝の目覚めに大きく関わっています。悪い習慣の主なものを挙げると、
・寝る前に食事を摂っている
寝る前に食事を摂ってしまうと、就寝中に胃で消化活動が行われて脳が興奮して中々寝付けなかったり浅い眠りになってしまいます。
就寝の2時間前までに食事を済ませておくのがベストです。
・寝る前にお酒やコーヒーなどを飲んでいる
寝る前にアルコールやカフェインを摂取すると、脳を覚醒状態にしてしまうため、睡眠の質を大きく下げてしまいます。
お酒に関しては、付き合いなどで飲む機会ができてしまった場合は、なるべく水やソフトドリンクを多く飲んで、アルコールの分解・排出をするようにしましょう。
・夜も明るい光を浴びている
現代では仕方がない部分もあるのですが、夜にパソコンや携帯の画面を見たり、コンビニへ行ったりと、明るい光を浴びると脳が睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。なるべくそういったものに触れる頻度を少なくしましょう。
冷え
冷えが原因で熟睡できていないことによって朝の目覚めが妨げられているかもしれません。
それには体の内部の温度である「深部体温」が関わっています。体温は日中には高く、夜になると低くなるというサイクルになっています。
深部体温は、下がり始めると眠くなり、朝方に上がり始めると目が覚めやすくなります。
裏を返せば、深部体温が十分に下がらないと眠りにつきにくく、上昇もしてきません。
体が冷えていると深部体温は下がりにくくなってしまうので、朝方に上昇しづらく、結果として朝中々起きられなくなってしまうのです。
病気が原因かも?
朝起きられない原因は病気にあるかもしれません。考えられるいくつかの病気は以下のとおりです。
・過眠症
睡眠を充分とっているのに日中とてつもない眠気に襲われてしまうような場合、過眠症である可能性が高いです。
・概日リズム睡眠障害
体内の睡眠と覚醒のリズムが、通常望ましい時間帯と合わず、日常生活に何らかの支障をきたす睡眠障害の総称です。
眠っている間に何らかの原因で気道が塞がり、呼吸が止まったしまう病気です。
・うつ病
朝スッキリと起きられない他、寝つきが悪い、途中覚醒、全身の倦怠感、気持ちの落ち込み等がある場合、うつ病の可能性があります。
以上の病気に該当している場合、早急に医療機関を受診することをおすすめします。
子供の場合:起立性調節障害の可能性
子供、特に思春期によく見られる病気です。
朝起きられないのは起立性調節障害の代表的な症状です。重症の場合、体を何度揺すっても目が覚めないこともあります。
これは自律神経のアンバランスによって引き起こされるもので、体の成長に自律神経が追いつけないため起こる身体的原因と、人間関係のストレス等の精神的原因とのどちらか、もしくはいずれもが考えられます。
朝起きられないこと以外にも、めまい・立ちくらみ、頭痛、倦怠感、食欲不振等の症状が現れることもあります。
大人からすれば、「仮病なのでは」や「学校に行きたくないだけでは」と思ってしまいがちですが、無理矢理行動を取らせたり厳しい言葉をかけることによって症状を悪化させてしまうことになります。
一度医療機関を受診しましょう。
朝スッキリ目覚める方法
それでは、原因がわかったところで、次にスッキリ目覚める方法をチェックしましょう。
深部体温を調節する
原因の冷えの部分でも挙げましたが、深部体温(体の内部の温度)が重要です。
日中は深部体温を高くし、睡眠中は下がるというのが理想的なリズムです。
そのためにいくつか有効な方法としては、
・夕方に軽く汗ばむ程度の運動をする
⇒適度に体を疲労させて寝つきをよくさせるため。有酸素運動がおすすめ。
・寝る2時間程前に入浴する
⇒体温を上げ、寝るまでに少しずつ下げていって眠気を誘発するため。少し熱めのお湯(41度程度)に15分前後浸かるのが最適。
・寝る時に腹巻をする
⇒内臓を温めることにより、体が冷えて深部体温が下がりにくくなることを防ぐため。
というものがあります。なるべく体を温めた状態で寝床に就くようにしましょう。
睡眠周期を利用する
睡眠は90分周期で浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返します。
眠りの浅いレム睡眠時に起きたほうが快適に目覚めることができます。
そのため、90分の倍数になる時間後に目覚ましをかければスッキリと起きやすくなります。
人によって十分な睡眠時間は変わりますが、概ね6時間(90分×4)または7時間半(90分×5)程度の睡眠をとるのがよいでしょう。
太陽光を積極的に浴びる
朝起きたらまずカーテンを開けて朝の光を浴びましょう。朝日を浴びることで体内時計をリセットさせることができます。
また、寝る時にカーテンを少しだけ開けておき、太陽が上がったら自動的に光が射すようにしておくのも効果的です。なるべく自分の顔に光が射し込むようにできればより効果は高まります。
ちなみに、太陽光の明るさは1万ルクス、一方で蛍光灯は明るいものでも2000ルクス程度なので、やはり太陽光を浴びるのが一番効果的です。
朝に布団の中で体を動かす
体温が上がると活動的になることを活かし、体を動かして覚醒を促しましょう。
体を動かすとは言っても、簡単な動きだけで大丈夫です。
例えば、手や足をグーパーグーパー、バタバタさせたり、体を左右にゴロゴロと動かすだけで十分です。
また、耳を引っ張ると血行が良くなり、覚醒しやすくなるので、上下や左右に引っ張ると効果的です。
これなら、億劫にならず毎朝続けることができますね。
アロマオイル
嗅覚に直接働きかけることでリラックス状態にし、副交感神経を優位にさせます。
寝る前におすすめのアロマオイルとして主なものは、
・ラベンダー
・サンダルウッド
・オレンジスイート
・マジョラム
・イランイラン
などがあります。
夜:好きな音楽を聴く
好きな音楽を聴くと、副交感神経が優位になってリラックスした状態になります。
寝る前に聴く音楽としては、歌詞が無く、落ち着いたテンポの曲がおすすめです。
歌詞のある曲だと脳の中枢部分が刺激されてしまい、眠気が覚めてしまう可能性があるためです。
朝:好きな音楽又はラジオを聴く
朝は脳に刺激を与えて脳の覚醒を促すことで、目を覚ますことができます。
夜とは逆に、歌詞有りの好きな曲を聴いて大丈夫です。その際、アップテンポの曲だとなお良いでしょう。
また、ラジオを聴いて脳の言語中枢を刺激させるのも効果的です。
その他
・ストレッチ
夜寝る前に軽くストレッチをしてみましょう。
全身の血流を良くしてから眠ると朝のスッキリ度が違ってきます。
・朝は冷たい水で顔を洗う
冷水で顔を洗うことによって交感神経を活発にさせるよう促します。
・SNSチェックは朝にする
夜寝る前にSNSのチェックをするとブルーライトの刺激によって寝つきが悪くなってしまいますので、朝起きてからのチェックにしたほうが良いです。
生活を少しだけ見直しましょう
以上のように、朝の目覚めをスッキリとさせるための事柄についてチェックしてきました。
普段から少しだけでも気を付けることで改善できるものが多いですね。
また、起きた後、朝はなるべく忙しくしないことも大切です。
人間の体は、眠っている状態の時に副交感神経が優位となっていて、起きてから徐々に交感神経が優位になっていきます。
しかし、起きてからすぐに忙しいと、この副交感神経と交感神経のスイッチングが上手くいかなくなってしまいます。その結果、疲れやすくなったりボーッとしてしまったりしてしまいます。
朝はなるべくゆったりと過ごすことも心がけましょう。