肩が重い、痛い。
そんな「肩こり」に悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
知らないうちに、日々の生活で肩こりを起こしやすい原因を蓄積してしまっているかもしれません。
今回はそんな何とか改善したい肩こりについて、詳しくみていきたいと思います。
肩こりの原因とは?
肩こりの原因には、いくつか考えられるものがあります。その主なものを挙げていきます。
同じ姿勢・悪い姿勢
これが肩こりの原因となっている人はとても多いです。
パソコンやスマートフォンの操作、読書などをしている時、多くの人は首を前に突き出すような格好になりがちです。
そうなると、首から肩にかけての筋肉に緊張が生じ、疲労の蓄積による血流不良を起こしてしまいます。
眼精疲労
パソコン・スマートフォンなどの液晶画面や細かい文字を見続けることによって、目の周囲の筋肉に緊張をもたらします。
それが首や肩の筋肉の緊張を増幅させ、肩こりが生じます。
目の疲労によって文字が見づらくなり、それに伴って姿勢も悪くなっていくという負のスパイラルに陥ってしまいやすいです。
疾患に伴うもの
体の外的・内的な病気や症状によっても肩こりが引き起こされることがあります。
外的な病気・症状の具体例は
・後縦靱帯骨化症
脊椎の骨である椎骨間を繋いでいる後縦靱帯が骨化・肥大化し、神経を圧迫するもの
椎骨間で本来クッションの役割をしている椎間板が、変形して飛び出し、近くの神経を圧迫するもの
・肩関節周囲炎
いわゆる四十肩や五十肩とよばれるもので、加齢による肩の痛みが出ているもの
などがあります。
一方、内的な病気・症状の具体例は
・高血圧症
・狭心症
・貧血
・ストレス
・うつ病
などがあります。
肩こりへの対処法
では、そんな肩こりにはどのような対策をすればよいのでしょうか。
有効と思われる対策方法をいくつか紹介します。
入浴時の運動
慢性的な肩こりは、肩周辺の筋肉の緊張状態が続き、血行が悪くなっていますので、血行を促しましょう。
湯船に浸かってできる簡単な運動を紹介します。
①40度程度のお湯に10分ほど浸かり、身体を芯から温めましょう。
②肩に力を入れてうえに引き上げ、一気に力を抜くという動作を10回程度繰り返します。
③42度程度の少し熱めのシャワーを片方の肩にあてながら10秒程度肩を回します。
反対側も同じように行い、これを左右それぞれ10回程度を目安に行います。
入浴でリラックスしつつ簡単に血行を促すことができるので是非試してみてください。
気軽に行うことができる体操
あまり動作が多いものだと続かなくなってしまいますので、手軽なものをいくつか紹介します。
最も手軽なもの
頭を痛気持ちいいくらいのところまで右側に傾けて10秒ほど静止します。
左側も同じように行い、これを左右各3回行いましょう。
リラックス体操
①頭を右に傾けて右肩を上げます。
②そのまま右肩を後ろから前に10回、前から後ろに10回ずつ回します。
左も同様に行い、これを左右2セットずつ行いましょう。
肘持ち体操
①両手で互いの肘を持って、頭の後ろで固定します。
②息を吐きながら上体を右へ傾け、息を吸いながら元に戻します。
同様に、左も行います。これを5往復程度行いましょう。
抱擁体操
①自分自身を抱きしめるように両腕を前から回します。
その際、右腕は左の肩甲骨に、左腕は右の肩甲骨に触れるような形にしましょう。
②その状態で、深呼吸を5回程度繰り返しましょう。
タオルストレッチ
タオルを使ったストレッチも効果的です。
①背筋を伸ばした状態でタオルの両端を持ちます。
②タオルをしならせたまま両腕を頭の上に伸ばします。
③そのまま右に身体を傾け、15秒程その姿勢を保ちます。
④左側も同じように行います。
これらのように隙間時間でできる簡単な動作を行いましょう。
大切なのは毎日継続することですので、習慣づけられるようにしましょう。
ペインクリニック
吐き気や頭痛などの症状を伴う重度の肩こりである場合は、医療機関の受診を行うのが最善です。
そこで、痛みを取り除くことを専門とする治療である「ペインクリニック」が注目されています。
ペインクリニックとは、肩こりの原因と考えられる箇所、または、症状が強い箇所の周辺に注射するというものです。
具体的には、エコーを当てて筋肉の断面図を映し出し、筋膜(筋肉を包む薄い膜)の部分に生理食塩水を注射するという簡単なものです。
近年の研究によって、肩こりの根本的な原因はその「筋膜」であるということが判明してきたため、そこを直接治療するというものです。
注射時の痛みは、注射する場所によって差があるようです。
また、費用についても注射する場所や深さによって差はありますが、概ね1,000円〜5,000円程度です(保険適応)。
まとめ
ここまで肩こりの原因と対処法についてチェックしてきました。
対処法は様々あるものの、肩こりの完全な治癒方法は未だ確立されていないのが現状です。
しかし、毎日少しだけでも簡単な運動や体操を行うことで、中度程度の肩こりは症状を緩和させることができます。
日々自分の身体に少しだけ気を遣ってあげるようにしましょう。